問題があるのは親なのか?子どもなのか? |
子どもとの間で問題が生じたとき、親は子どもの方に何かおかしいことがあると思い込み、 まるで壊れた車を修理のために工場に持ってくるかのように、子どもを私の所に連れてきた ものです。 ところが、子どもは健康で普通の様子を示し、情緒的に問題があるとはまるで思えないので す。子どものほとんどが、問題があるのは実は親の方で、カウンセリングが必要なのは親だ と思っていました。 青少年たちから繰り返し聞かされたのは、 ・自分には問題がないけど、親にはあきらかに問題がある ・自分より父親を治療に来させた方がいい ・罰がひどすぎる ・一人立ちできるようになったらすぐに家を出たい ・あんな母親なんか大嫌いだ ・あの親の近くにいるだけでいやになる ・絶対に話なんかしない 私は考え込んでしまいました。 問題を起こし、不幸せな気持ちを味わっている思春期の若者が「精神科の医者」なんかで 治療する必要なんてない、と思っている時に、その親を援助するにはどうしたらいいのだろう か?と。 (『ゴードン博士の人間関係をよくする本 自分を活かす相手を活かす』) (トマス・ゴードン著 近藤千恵訳 大和書房) |