なぜ第1法は効果がないか 
 対立を解くのに第1法(親が勝つ)に頼る親は、知らぬ間に高い代償を払うことになる。

第1法のやり方で、なにかを強制された時、子どもは一般的に親に対して嫌な

感じを持つ。フェアじゃないと思い、その責任は親にあると考えるから、当然、親

に対して、怒り、反発、嫌悪が向けられる。

第1法を使うと、時には、子どもが従順な態度を示すこともあるが、そのために

親は子どもの敵意を買うことになる。

第1法で対立を解決した直後に、子どもの反応を観察してみればよい。

ほとんど例外なく、子どもの顔には反発と怒りが現れ、敵意が口をついて出たり

時には、親に実際に手を出したりする。

第1法は、親子関係が長い間悪化し続ける種をまき、それまでの愛情と親密は

反発と憎悪に取って代わってしまう。



『親業』/トマス・ゴードン著 大和出版
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