干渉しないことで示せ |
親は子どもの活動に干渉しないことで受容を示すことができる。 砂浜で砂の城を作ろうとしている子どもを例にとってみよう。 親が子どもから離れて別の活動をしている。子どもが自由に「間違えたり」、見たこともない ような城の形(たぶん親の考える城とは違っているだろうし、城とわからないようなものかもし れない)を創造するに任せている。 そしてその親は、非言語的な受容のメッセージを送っている。 子どもは、「いま僕がしていることはいいんだ」 「僕のお城作りは受容されている」 「お母さんは、いまぼくのしていることを受け入れている」と感じるだろう。 子どもが何らかの活動に従事しているのを邪魔しないことは、受容を伝える強力な 非言語的コミュニケーションの方法である。 ほとんどの親は、単に口をはさむ、仲間に入る、干渉する、ということで、自分がどれほど しばしば非受容を伝えているか認識していない。 子どもを放っておくという行為があまりにも少なすぎる。 子ども部屋のプライバシーを侵し、子ども個人のプライベートな考えのなかに押し入り、自分 と別人であることを許そうとしない。 これは親の側の恐れ、心配、不安感のもたらす結果ではないか。 |
(『親業』トマス・ゴードン著 近藤千恵訳 大和書房)