若者は反逆しない
 いまや私は「子供は青年期に親に反逆しない」と考えるようになった。

ただ、彼らが反逆するのは、親がいたるところで使っている破壊的なしつけの

やり方に対してである。親子の対立を解決するのに、これまでとは違う方法を

親が学べば、家族間の不和やけんかは不可避のものではなく、例外的な出来事となる。

 親業訓練は、子供の養育における罰の与え方にも新しい光を投げかけた。

 PETの訓練に出席した多くの親は、子供のしつけに、罰・・・単に身体的な罰だけでなく

あらゆる種類の罰・・・は永久に忘れてしまってよいことをわれわれに示してくれた。

恐れさせるという武器に頼らなくても、責任感の強い、自分で判断のできる、協調性

のある子どもに育てることはできる。罰を受ける恐れ、やりたいことができなくなる

恐れ、欲しいものが買えなくなる恐れからではなく、親の気持ちを真に理解し、思い

やることから行動するような子どもにするにはどうしたらよいかを、親は訓練を通して

学ぶことができる。

(『親業』トマス・ゴードン著 近藤千恵訳 大和書房)

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