夫婦間の対立をどう解消するか |
結婚生活の不調と暴力は、私たちのかかえる問題の第一位を占め、仕事面 でも、コストに高い影響を持ちます。家庭で深刻な問題があると、仕事の生産性 が低下します。欠勤・遅刻、それに病気です。事故の発生率が高くなり、アルコ ールやタバコの量が増え、健康管理コストがうなぎのぼりになります。 あらゆる結婚に対立はつきものです。 しかし、単に当事者が対立の解決法を知らない、というだけで、対立が暴力にま で発展してしまうことがあります。 さらに、夫婦間の暴力が子ども間の暴力に影響します。 それも当然でしょう。家庭で言い争い、反論・対立が暴力によって解決される のであれば、子供たちの間の意見の相違や対立の取り扱いも同じようになる でしょうから。虐待をしたり暴力をふるう大人は、そのほとんどが、虐待や暴力 のある家庭で育ってきたとの研究結果に私はそれほど驚きませんでした。 そういう苦痛に満ちた子どもの頃の経験があれば、成長して大人になった時に は、同じようなことで自分の子どもが傷つくのを、何としてでも避けようとするの ではないかと思えるのですが、実際はそうではないのです。 これが重要なポイントになります。 今日確認されているのは、結婚した夫婦が、いかにお互いの対立を解決しよう とするかが、その結婚が続くか否かを示す、最も重要な予測指標となる ということなのです。 (『ゴードン博士の人間関係をよくする本 自分を活かす相手を活かす』) (トマス・ゴードン著 近藤千恵訳 大和書房) |